天竜川サツキマス白書 vol.21(泣きの、もう1回?) 釣期、釣り場、尾又長の相関
(過去の記事をまとめて見るには、左のカテゴリ欄で『天竜川サツキマス白書』を選択して下さい)
なんか、すっきりしないことがあります
グラフを書いてみて、なんか関係ありそうですねぇ~~
なんて言ってみても
それが、どれぐらい関係しているのか?
全く判ってません
そこで、
多変量解析!
何度も挫折した統計学の一つ
その多変量解析の中には、重回帰分析,主成分分析,判別分析なんてのがあって
これらを使いこなせれば、いつ、どこで、どうやって釣れば
どでかいサツキマスを狙って獲れるかが判るはず! (らしい?)
だめだ、ここまで書いただけで疲れた
まぁ、敷居の高い多変量解析まで到達する前に、統計学の基礎的な指標を用いて、
サツキマスのサイズ(尾又長)と釣期と場所は、ホントに関係があるのかを調べてみました
以前に報告した『vol.12 期間、場所と平均尾又長の関係』では、
こんなグラフで釣れた時期と場所ごとの魚のサイズを3次元で表示してみました
グラフをクリックすると大きく拡大できます
拡大後にも、インターネットエクスプローラーなら画面右下の拡大レベルの変更(虫眼鏡マーク+)で更に拡大することも可能です
2009年の漁獲時期,場所と平均尾又長の関係
飛び抜けて大きいデータの殆どが大物1発データで、複数の平均値と比べるのに無理がありました
デカイのを狙うには、ちょうど良い頃合いと場所ってのが、ありそうですよね
なんてことを書きましたが、本当はどうなんだか??? 全然、判りませんよね
そこで、一般的な統計学の指標で評価してみます
<2000~2009年の472尾のデータ>
尾又長 平均=35.0cm
分散=30.4 ・・・・・平均値からのデータの散らばり具合
標準偏差=5.51
釣期 3/1からの平均経過日数=78.4日 = 5月18日
分散=678
標準偏差=26.05
場所 河口からの遡上距離平均=13.3km = 東名高速~笠匂大橋
分散=60.2
標準偏差=7.76
・それぞれの相関
尾又長と釣期 (標本)共分散=22.3
相関係数=0.154
尾又長と場所 (標本)共分散=0.315
相関係数=0.007
釣期と場所 (標本)共分散=144.2
相関係数=0.707
この最後に求められた相関係数ってのは、-1と+1の間の値をとって、その値が-1や+1に近ければ相関が高く、0に近ければ相関が低いとされています。-1の場合には負の相関(片方が増えると、もう片方が減る)、+1の場合には両者ともに増えたり減ったりするということ。
この相関係数の数値から判断してみますと、『尾又長と釣期』,『尾又長と場所』については、
どちらも統計学上では相関が高いとは言えないことになります
強いてどちらが尾又長と相関が高いかと言えば、釣期の方が相関が高いと言えます
でかいのを狙うなら後半戦! ってのが、今のところ唯一の解?
また、参考としてあげた『釣期と場所』の相関は非常に高いと相関係数は示しています
遡上魚なんだから当たり前といえばそうですが、
日数が経過するほど上流域! ってのだけは間違い無さそうです
ん??? これを使えば、ミノー長と尾又長の相関も調べられそうだ
重回帰分析で、釣れるサツキの尾又長を予測(計算)できるのは、いつになることやら??
by fish_anecdote | 2010-03-08 20:09 | 天竜川サツキマス白書